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再生へ…新たな一歩 地震で被害 清田区のグループホーム解体工事 "我が家"に別れ 札幌市

2019年1月8日19:05
 再生の第一歩は、"壊すこと"でした。胆振東部地震で被害を受けた札幌市清田区のグループホームの解体工事が始まりました。住み慣れた家と別れる寂しさ。一方で新たなわが家を心待ちにする姿もありました。

 解体工事が始まったのはグループホーム「トトロの森」です。認知症の高齢者15人が暮らしていました。

 「ありがとう…」

 梁がむき出しになった建物に酒を手向けて回るのは施設長の住友幸子さん。数々の思い出が甦ってきます。

 グループホームトトロの森 住友幸子さん:「(思い出は)ありますよ、いっぱい。部屋にいた人が出てきそう。いろんな人と出会えてよかった。一人一人のことを思い出す」

 自分の母親の介護がきっかけで始めたグループホーム。17年目を迎えた去年9月、あの地震が襲いました。

 地震による液状化で木造2階建ての建物は半壊に。ドアは閉まらなくなり、床も傾きました。住み続けることができなくなってしまったのです。

 「どこかに行くんですか?」「新しい施設を作るまで、みんなで違う所に引っ越すの」「お姫様も?」「ばあやも」

 建て直すまでの間、入居者は一時的に別の施設に移ることになりました。

 入居者:「泣きたくなっちゃった。とっても寂しいです」「いやだけど仕方ないもんね。もういられないんだから」

 そして8日、新たな一歩を進むための解体工事が始まったのです。

 グループホームトトロの森 住友幸子さん:「前の所に戻りたいと言われると…。頑張りたい。でもちょっと悲しい」

 地震当時の入居者15人のうち12人は今、北広島市で暮らしています。

 元々はデイサービスの施設で、寝泊まりすることは想定されていません。大部屋をパーテーションで区切って生活しています。

 住み慣れた我が家の解体工事の様子は、昼のニュースで知りました。

 松本麻郁記者:「Q.また元のところに戻れるのは?」

 入居者:「やっぱりうれしかったよ。慣れた場所だから、自分の部屋。今はおばちゃんと一緒で嫌だってわけじゃないけど」「道路の亀裂がちょうど私の部屋の窓から見えたの。それは忘れない」

 認知症は環境の変化が病状に密接に関係する病です。暮らす場所が変わると、感情が不安定になったり症状が進行したりすることがあります。

 住み慣れた清田区から北広島市に移り、涙を流すことが多くなった入居者もいると言います。だからこそ、早く元の場所に終の棲家ができるのを待ち望んでいるのです。

 「どうする、おうちの色?」「ピンクかい? ピンクは汚れが見えるよ」

 新しい建物は4月に完成し5月には入居できる予定です。

 グループホームトトロの森 住友幸子さん:「出会いの場所で、勉強させてもらった場所。早くできるといいねと(入居者と)話しています」

 胆振東部地震から4か月あまり。復興に向けた歩みが一歩一歩進んでいます。

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