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幼保無償化スタート 歓迎の一方で根強い懸念も「保育士確保のため処遇改善を」 札幌市

2019年10月8日19:04
 幼稚園や保育所に通う子どもの利用料を無料にしたり、減額する、「幼児教育と保育の無償化」が10月1日から始まっています。

 消費税の引き上げによって得られた、増収分をあてるものですが、現場からは喜びの声とともに、懸念の声が上がっています。

 札幌市内の認可保育園です。

 新崎真倫記者:「10月から増税とともに、その使い道として新たに始まったのが幼保の無償化です。保護者の皆さんはどのように受け止めているのでしょうか」

 保護者:「助かります、本当に助かります」「習い事とか、野球教室とかそういうことに通わせたい」

 今回の幼児教育・保育の無償化で、幼稚園や認可保育所に通う3歳から5歳児は一律で無償に、0歳から2歳は所得の低い住民税非課税世帯が対象です。

 安倍首相は先週の所信表明演説で「70年ぶりの大改革」と胸を張りました。一方、保護者からは…。

 保護者:「預けたくても預けられない友人とかもいて、そうい方にも目を向けてもらえたらいいと思う」

 無償化によって待機児童が増えるのではないかという懸念の声が。

 札幌市の待機児童は2019年4月時点で0人ですが、希望する認可施設に入れないなど、いわゆる「潜在待機児童」は約2000人に上ります。

 希望者が増えると、現在でも難しい保育士の確保をさらに進めなくてはならないという不安があります。

 白石興正保育園 泰光円園長:「無償化することによって保育を必要とする子どもたちが増えてくるから、まさに保育士が必要になってくる」

 保育士不足の要因の一つと言われる賃金の低さ。北海道内の平均賃金は23万2700円と、全職種平均を6万円下回ります。

 白石興正保育園 泰光円園長:「保育士不足の一番の理由は処遇の悪さ。最近ではここ3,4年で少しずつ改善されてはいる、ただまだまだ満足いくものではない」

 こうした懸念が広がる中、札幌市では保育士確保に向けた取り組みに力を入れています。

 札幌市中央区にある保育士・保育所支援センター「さぽ笑み」です。平日と第3土曜日の日中、来所やメールなどで保育施設の求人と資格をもつ保育士の求職を支援するマッチングを行っています。

 札幌市子ども未来局 伊藤弘己課長:「実際に(資格があっても)保育士の職についていない方はだいたい1800人くらい。あらためて復帰したいという方もいるので、こうした『さぽ笑み』を利用して復職のきっかけというか、つなぐ役割を果たしていければいい」

 「さぽ笑み」では、3年間で約250人のマッチングを行ってきました。しかし、保育士の有効求人倍率は高いままです。札幌市では、資格を持ちながら職に就いていない、こうした「潜在保育士」の掘り起こしに力を入れています。

 一方、今回の無償化では給食費や送迎費などは対象外で、自己負担となります。保育士で作る、札幌保育連絡会の会議で聞いてみると…。

 保育士:「“食育”が全く切り離されたということは、“食育”は保育じゃないのかということにつながる」

 また、自己負担分の給食費などを徴収することに、現場の負担が増えるのではという不安の声もありました。

 負担軽減とともに、保育の質をどう確保するのか。取り組みは、まだこれからです。

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