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台風19号被害… 住民の命を救ったのは"コミュニケーション" 被災1か月を取材 

コラム・特集

 死者・行方不明者95人を出した台風19号の襲来から1か月あまりが経ちました。

 最も大きな被害を受けた宮城県丸森町ではいまも大きな爪痕が残されたままとなっています。

 現地取材で、住民の命が救われた理由が見えてきました。

 木村洋太記者:「このあたりの住宅街、畑も広がっていた範囲ではありますが、こちら一帯は今までの風景とは一変して土砂に埋め尽くされています」

 10月12日、伊豆半島に上陸し猛威を振るった台風19号。死者・行方不明者は95人に上っています。

 最も甚大な被害を受けた宮城県南部の丸森町では、大雨による土砂崩れや河川の堤防の決壊によって町の広い範囲が浸水、10人が犠牲となりました。

 「(水が)床下まで来たと思ったらみるみる上まで上がって来て、畳も踊るくらい浮いてきた」

 夫婦2人で暮らしていた79歳の男性。明治から先祖代々住んできた2階建ての家の1階は、川から水と流木などが押し寄せ骨組みだけとなりました。

 「無我夢中だった。"どうなるのだろう"と思った」

 被災から1か月を迎えた現地で目の当たりにしたのは、進まない復旧作業でした。

 木村洋太記者:「本来は丸森町の町民グラウンドですが、災害によって使えなくなってしまった家電、生活用品が集められています」

 年間のゴミの排出量の6倍以上にあたる約1万9千トンの災害廃棄物は、まだほとんどが手付かずのまま。仮設住宅の建設もようやく始まったばかりです。

 大きな被害をもたらした台風19号。しかし周辺一帯が土砂に埋まりながらも、全100世帯以上の命が守られた地区がありました。

 台風19号の大雨で浸水被害が出た宮城県丸森町。

 五福谷地区に住む 佐久間新平さん(70):「(元々)桜並木があって曼殊沙華(まんじゅしゃげ)を植えていて、10月11日に"あす雨降るから"と肥料をまいた。こんな小さな川だった、堤防もあって」

 以前五福谷地区の川の周りは緑に囲まれのどかな風景が広がっていました。台風でその景色は一変しましたが、この地区に住む住民は全員無事でした。

 五福谷地区に住む 佐久間新平さん(70):「(12日午前)11時ごろから連絡をして"危ないからきょう気を付けて"。その次は"(川から遠い家の)前の方で寝てね"、3回目は"娘さんのところに避難してね"、4回目は"娘と避難してください!"と」

 佐久間新平さん。雨の状況を見て住民一人ひとりに何度も避難を呼びかけ続けました。

 命を守ったのは地域でのコミュニケーションだったのです。

 五福谷地区に親戚がいる 佐藤裕三さん(75):「指示がなければこの辺の人は亡くなっていたのでは。早く集団避難したから助かった」

 五福谷地区に住む 佐久間新平さん(70):「停電して電話ができなくなるのが想定以上に早かった。一人も犠牲者が出なかったのがせめてもの救いです」

 住民同士のつながりで守られた命がありました。

みんテレ