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「障害者は死ぬまで分けられる」"優生思想"に苦しむ人々…障害者施設殺傷事件が与えた衝撃

社会

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 優生保護法。24年前まで存在していた法律で、不良な子孫の出生防止を理由に精神障害や知的障害のある人などへの強制不妊手術や中絶を行ってきました。全国で約1万6500人、北海道は最多の2593人に上ります。

 知的障害がある女性の強制不妊手術を行ったことがある、道央の医師は…。

 強制不妊手術を行った医師:「いや人助けしたと思っているけどね。できなくしてくれれば、親はありがたいと思うしさ。こっちも、よいことをしたと」

 道内では、強制不妊手術を受けた3人が人権を侵害されたとして、国に損害賠償を求め、現在も裁判が続いているのです。

社会にはびこる"優生思想" 「障害者は死ぬまで分けられる」

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 札幌に住む小山内美智子さん(66)です。重度の脳性マヒがあり、中学生のときに強制不妊手術を受けさせられそうになったことがあります。

 小山内美智子さん:「生理の日は学校に行けなかったので、母が考えて子宮をとりにいこうかって。私の人生これで終わりかって。結婚も恋愛もセックスもできないのかなと思った」

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 小山内さんは31歳に結婚し、翌年長男を出産。長男は理学療法士として札幌市内で働いています。

 ただ法律がなくなったいまでも、社会の中には優生思想がはびこっていると語気を強めます。

 小山内美智子さん:「障害者は死ぬまで分けられるんだなということがわかった。あの被告のような人はここらへんにいっぱい歩いていると思う。障害者はかわいそうとか生きていて何になるのかとか」

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 小山内さんが理事長をつとめる札幌いちご会は、43年前に設立され、障害者が施設ではなく地域で自由に生きるためにと運動を展開してきました。

 小山内美智子さん:「43年目になるのに、同じころを繰り返し、繰り返しやらないといけない。私は疲れたね」

 差別をなくすためには、障害者も内にこもらないことが大切だといいます。

 小山内美智子さん:「いろんな人が生きていていいという考え方の社会にしていきたい。そのためには障害者がもっと外に出て、同じ保育園、同じ学校、会社にいなければならない」

 札幌市でも2018年7月に、介護職員の男が、訪問介護サービス先の障害者の男性に暴行を加えて死亡させた事件がありました。被告の男は「本来は寝ている時間なのに騒ぐから殴った」と供述。傷害致死罪で起訴され、1月14日から札幌地裁で裁判員裁判がはじまります。

 多様な生き方が受け入れられるような社会へ。心の中に潜む差別感情と向き合い、社会の価値観をどうつくっていくのかがあらためて問われています。

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