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時速500キロ→5キロの世界へ異色の転職 移住者ならではの視点で作る壮観”スノーアート”

 十勝の雪原にスノーアートと呼ばれる巨大な作品が出現です。このアートには、時速500キロから時速5キロの世界へ異色の転職をした、地域おこし協力隊ならではの視点がありました。

 十勝の中札内村の広大な雪原をひたすら歩く一人の男性。
何度も何度も雪原を往復しています。
 この男性が作っているのは、自分の足跡のみで雪の上に絵を描く「スノーアート」です。

 2020年2月15日から行われるイベントに向けて、スノーアートを制作する地域おこし協力隊の梶山智大さん。

 結婚を機に、夫婦で1年半前から中札内村の観光を盛り上げようと働いています。

 中札内村で働く前は、JR東海でリニア新幹線の開発や設計を担当した異色の経歴を持っています。

 時速500キロを体感できる大企業から北海道の小さな村へと移住した理由とは。

 中札内村地域おこし協力隊 梶山智大さん:「JRに勤めていけば、安定した収入と生活が保障されているかなとは思ったんですけど、それで30年くらい続けていくという人生と、自分たちがやってみたいと思うことに挑戦する人生と天秤にかけて自分たちの答えは、後者だったということになります」

 梶山智大さん:「都会にいる頃から2人の思いとして、自然が豊かなところが好きだった」「中札内で見た日高山脈の景色ですとか、防風林と広がる畑というのが、僕らとしてはそれが素晴らしい景色だなと思って」

 梶山智大さんの妻 千裕さん:「正直びっくりしましたけど、二人とも自然が好きでしたし、いろんな変化がある人生のほうが楽しいなと思ったので」

 冬は観光が下火になるといわれる十勝地方を何とかして盛り上げることが出来ないのか。

 そこで、梶山さんが目を付けたのが、北海道外から来たからこそ気が付ける視点でした。

 冬は、観光客が減る十勝地方。

 観光資源として目を付けたのは、地元の人にとっては見慣れた雪に覆われた畑でした。

 今回挑戦するスノーアートのスケールは、幅が150メートルに及びます。

 梶山智大さん:「本当に感覚だけで長さを決めるわけでもないですし、歩数で何かを決めるとか目印を置くとか一切なくて…感覚を大事にして歩いている」「イメージとの戦いなので、あとは孤独。孤独ですね」

 2月11日から13日まで、朝7時から午後3時の計20時間以上を、時速5キロほどで一人で歩き続けます。

 制作2日目の2月12日は、季節外れの暖かさとなり、中札内村でも最高気温は7℃と4月上旬並みの気温となりました。昼を過ぎると雪が解けて重みを増していきます。

 雪はちょっと重くなってきたなというのは、3日間の歩数は約8万6千歩。距離にして56キロを歩き完成させたスノーアート。

 タイトルは、「五輪の花と感謝の翼」。オリンピックイヤーにちなんで5つの花。その真ん中には力強く羽ばたく翼が描かれています。

 梶山智大さん:「中札内村のよさをもっと外の人に知ってもらえるようなアクションを起こしていきたいなと思います」

 雪や風など気象条件で儚く消えゆく運命にありますが、冬の北海道が持つ美しさと1人の男性が作る奇跡の軌跡がこの週末、人々に感動を与えることは間違いありません。

みんテレ