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学校教師の悲鳴 「業務多過ぎ 子ども劣化していく」 起床5時 就寝1時のなぜ? 北海道

2017年11月21日19:35
 「働き方改革」の名のもとで、各企業の取り組みが始まる一方で、教育の現場では、深刻な状態が続いています。北海道教育委員会のアンケートで、こんな実態がわかりました。

 児童生徒への1日あたりの指導時間は、小学校が38分、中学校が45分。2008年度と比べ、どちらも減っています。

 子どもへの影響も考えられるこの事態は、なぜ起きているのか。ひとつの原因に、現場の教師の忙しさがあります。ある高校の先生の一日を見ると…。

 起床が5時、出勤が7時、授業が8時から午後3時。

 ここで終わりではありません。補習、試験問題の作成などの業務で結局、21時まで勤務。帰宅後も、生徒の進路相談の書類の添削などをし、就寝が深夜1時という生活。

 教育の現場で今、何が起きているのでしょうか。

 現役教師:「(業務が)多過ぎて、高校3年間では子どもが劣化していく。注意深く見ないと、子どもの成長を感じ取れない」

 2017年9月、北海道教育委員会は、北海道の小中高の教職員の35%が、過労死ラインに達する、月80時間を超える残業をしていた事を発表しました。

 なぜ、こんなに仕事をしなければならないのか。

 現役教師:「1時間の授業では、2時間から3時間は、若いときは準備していた。それ以外に、担任業務とか書類作成とか」

 また、北海道高等学校教職員組合連合会と、全北海道教職員組合が行ったアンケートでも、さらに悲痛な声が…。

 (アンケートより):「ゆとり教育の見直しに端を発した授業時数の確保によって、急激に忙しくなっている」「運動部顧問の押し付けが非道」「報告業務が多い」

 授業や生徒指導、週末を含む部活動の顧問。さらに、給食費を管理する会計業務や、国や北海道へ提出する報告書の作成など、業務が山積みなのです。

 実は、一人の教師が受け持つ生徒の人数は、約40人だった昭和30年代に比べると、今はその3分の1まで減少しています。

 しかし、授業以外に膨大な業務があるため、現場の教師からは「深刻な人手不足」と訴える声が相次ぎます。

 子どもへの指導時間が減ることで、そのしわ寄せは、子どもに及ぶことになるといいます。

 この状況に、教員を目指す学生からも、厳しい声が…。

 教育大の学生:「子ども達に本当に必要であるならば、それが必要なことと思うし」

 「忙しさと給料が、割に合うのかな、というところで、決めかねている」

 「一応親が教員なんですけど、長時間労働とか、朝6時30分に出て、帰って来るのが、午後9時30分とか10時なので。過労死レベルなので」

 北海道教育委員会によりますと、北海道の教職員志望者は2002年度は1万人を超えていましたが、2017年度は約5000人にまで半減。

 優秀な人材が集まりにくくなり、子ども達の不利益につながるという指摘もあります。

 解決するためにどうすればいいのか。そのヒントは石狩市の小学校にありました。

 「職員朝会終わります」

 わずか5分で終わる職員の朝礼。石狩市の花川小学校では、2015年に校務支援システムを導入しました。

 児童の成績や出席状況などの情報を入力し、教職員間でも情報を共有。事務負担の大幅軽減につながっているということです。さらに…。

 花川小学校 松井明生校長:「担任外の教員が、担任のいろんな業務を、できるだけ手伝う風土を作っているというのは、一番のところでしょうか」

 教師2人と事務職員1人の計3人を新たに加え、担任をサポート。

 この結果、教師が子ども達と関わる時間の増加につながりました。

 また、複数の教師できめ細かく指導することで、学力は5年連続で、全国平均を上回るようになりました。

 それでも現場では、人手不足の解消とは感じていないのが現状です。

 花川小学校 冨田雅幸先生:「どこまでやっても、子どものためにと考えると、やりたくなってしまうので、学級通信も出したり、いろんなことしてあげたくなっちゃう。授業以外の仕事ですね。本当に、これは教員がしなければならない仕事なのか、他のところでもできる仕事なのか、分かれてくるともう少し、勤務時間の短縮はできると思う」

 慣例的に教師が受け持ってきた業務を改めて見直し、子どもたちへ影響が及ばない対策を考える時期に、差し掛かっているといえそうです。

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