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絶版の人気小説 "復刻"の裏に秘められた思い 原田康子著"海霧" 霧の街で 北海道

2017年12月3日07:30
 北海道釧路市ゆかりの小説が、市内の書店の取り組みで復刻し話題を呼んでいます。

 書店が、独自に小説を復刻させるという全国的にも珍しい取り組みの裏には、何があるのでしょうか。

 釧路市内を中心に、札幌市内や東京都内などで大型書店を展開する"コーチャンフォー"。

 2017年、10月から店内の一角に、ひときわ目を引く特設コーナーが…。

 コーチャンフォー釧路店 菅原章広さん:「こちらですね。こちらで原田康子さんの"海霧"を展開させていただいています」

 2017年10月、「千セット限定」で12年ぶりに復刻したのが原田康子さんの長編小説"海霧"です。

 東京都で生まれ、釧路市で育った原田さんは、人気作家になった後も北海道で執筆活動を続けました。

 海霧は2000年から北海道新聞で、600回以上にわたり連載された長編小説で、2003年には吉川英治文学賞を受賞。

 明治から昭和時代の釧路の様子が描かれています。

 釧路市民:「昔の釧路がけっこう出ているみたいなので、それを知るのに良いと思う」「うれしいですよね。こうやって出してくれることが」

 復刻は、全国的にも珍しい書店独自の取り組み。

 なぜ、地方の書店が復刻させたのでしょうか。

 コーチャンフォー釧路店 菅原章広さん:「今、入手が困難という事でほぼ絶版状態だった。今回、釧路文学館の開設もあって、協力の意味も込めて復刻した」

 2008年頃から、ほぼ絶版状態だったこの小説。

 しかし2018年2月、釧路ゆかりの作家の展示をする釧路文学館開設のためにも復刻が必要と、地域の思いが一致したのです。

 釧路市教育委員会 生涯学習部 宮下誠部次長:「古くは石川啄木、原田康子さん、最近では直木賞作家の桜木紫乃さん。この方々の展示物を予定している。企画コーナーでは海霧の挿絵の展示も想定」

 書店では、新聞連載当時の挿絵も展示されています。

 釧路市を代表する幣舞橋。

 かつては官公庁が並んでいた南大通にある相生坂など、作品の情景を彷彿とさせる挿絵の数々が、復刻版の人気に再び火をつけています。

 釧路市民:「懐かしいなと思ってみた」「こういう昔のいろんな物とか思い出されますね」

 3巻セットの復刻版。

 発売から1か月あまりで、約400部が売れる人気ぶりです。

 コーチャンフォー釧路店 菅原章広さん:「北海道文学では埋もれている作品あるので、これからもそういった流れを続けていきたい」

 地方の埋もれた文化を残していく取り組み。

 今後の広がりにも期待が高まります。

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