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まちで唯一の書店 閉店 「"本との出会い"失いたくない」店主の思い 北海道浦河町

2017年12月2日07:30
 まちの本屋さんが、次々と店を閉めています。11月27日、北海道浦河町の唯一の書店が閉店。本屋さんがなくなってしまいました。

 なぜ、閉めざるを得ないのか。店主や、街の人たちの思いは。"最後の日"を取材しました。

 「ブックカバーをかけますか」

 「はい、すいません、妻がいくつかあったら10枚くらい欲しいと」

 北海道浦河町で唯一の書店"六畳書房"です。

 営業時間は毎週月曜日、午前10時から午後8時までの間だけ。

 売り場はその名の通り、六畳一間のみ。

 11月27日が、最後の営業日でした。

 六畳書房 武藤拓也さん(33):「店舗とは違う形での再開を考えています」

 常連客:「昔は浦河町には2軒の書店があり、とても楽しかった。気軽に立ち寄れる書店がなくなるのは寂しい」「実際に、本を手に取れるのは大きい。本の方から訴えてくるのは実際にあると思う」

 六畳書房が生まれたのは2014年。

 子ども向けの絵本から、小説や実用書。ベストセラーだけでなく、店主が読んでほしいと思う本を集めました。

 町から本屋さんが消えたことに、危機感を持った武藤拓也さんが、住民から1口5千円の出資金を募り、約20万円を集めて開店したのです。

 六畳書房 武藤拓也さん(33):「ミカンやお菓子の差し入れも、たびたび」

 古い民家を借りてスタートした書店。

 本を買うだけでなく、住民たちが集い、話を弾ませる場でもありました。

 しかし、当初は月の売り上げが約20万円ありましたが、最近では約3万円に落ち込んでいました。

 六畳書房 武藤拓也さん(33):「ボランティアでやってきて、自腹を切る事が多かった。建物が古いので、野外同然の寒さ」

 自力で続けていくのは、もう限界。武藤さん、苦渋の決断でした。

 人口、約1万3千人の浦河町。六畳書房がなくなると、最寄りの書店は、車で片道40分かかる隣りまちにしかありません。

 浦河町民:「週刊誌ならコンビニ、書籍ならネットの方が早い」「(書店が)欲しい。若い人にも必要だと思う」

 全国各地で、書店は減少し続けています。

 1999年と比べ、約1万軒も減りました。

 大型書店の出店、ネット通販や電子書籍の普及が、地域の書店に追い打ちをかけています。

 六畳書房も、その流れに歯止めをかけることはできませんでした。

 しかし、武藤さんは書店の大切な役割を担い続けることを諦めてはいません。

 六畳書房 武藤拓也さん(33):「注文された本だけを売るのは、今の書店の役割とは違う。自分で思っていなかった本と出合うということ。本との出会いを提供するのが、書店の役割だと思う。書店のないまちに住みたいとは思わない」

 目で見て手に取ることができる書店。

 武藤さんは、そんな店を再び"オープンさせたい"と模索しています。

 小さな町の小さな書店の挑戦は、まだ終わっていません。

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