一度謝罪した“パワハラ”―否定する準備書面を函館地裁に提出―鈴木直道知事はノーコメント貫く 遺族側「主張を変えるのは行政として一貫性がない」 道立高等看護学院の男子学生自殺裁判 北海道
北海道南部の道立高等看護学院で、男子学生が教師によるパワハラによって自殺したとして、遺族が北海道に損害賠償を求めた裁判で、道側がパワハラを否定していることが分かりました。
「Q(道が設置した第三者委員会の認定を道が否定することになるが?)「繰り返しで申し訳ないが現在係争中ですから、コメントは控えさせていただきます」(鈴木直道北海道知事)
鈴木知事は会見で裁判に関しては「係争中」として”ノーコメント”を繰り返しました。
この裁判は2019年、道立江差高等看護学院の男子学生が複数の教師から提出期限を1分過ぎたレポートの受け取りの拒否や、実習時の暴言などのパワハラを受け自殺したとして、遺族が道に損害賠償を求めているものです。
道は第三者委員会が2023年3月、教師3人のパワハラ行為4件が自殺につながった可能性があると報告したことを受け、2か月後に遺族に謝罪していました。
しかし、道は2023年10月、パワハラと自殺の直接の因果関係を否定する文書を遺族側に郵送。さらに道は、4件のパワハラを否定する内容の準備書面を、函館地裁に提出したことが関係者への取材で分かりました。
遺族側は「道側は独自の調査などで新しい証拠を示していないのに主張を変えるのは行政として一貫性がない」と反発しています。