「景色としてではなく展望台から景色みて」築68年の“さっぽろテレビ塔”が『国の登録有形文化財』に―若手・営業担当が描く集客アップ策<札幌の春を彩るひと>
1957年にオープンし、築68年を迎える札幌市のシンボル「さっぽろテレビ塔」。タワーとしては大阪の通天閣や東京タワーなどに続き先月、国の登録有形文化財に指定された。運営会社営業部の菊池遼太さん(36)に文化財指定の効果や今後の展望を聞いた。(聞き手・官野 玄)
――登録有形文化財に指定されるまでの経緯は? メリットもお聞かせください。
「本格的に動いたのはコロナ禍の後です。登録有形文化財に指定されたということは、『文化的な価値』が認められたということになります。さらに修理時に国から補助金が交付され、固定資産税などの優遇措置が講じられます」
――登録有形文化財になり、去年までと何か違いはありますか?
「地元のお客様が増えるなど、直接的な違いはありません。でも3月には無料の招待会などを開催したところ、雪まつり期間中と同程度の1日5000人の方に来ていただきました」
――菊池さんはどのような仕事をされていますか。
「札幌出身で、2011年に同社へ入社しました、現在はビアガーデンなど、主にテレビ塔のイベント運営に携わっています。市民もテレビ塔に登る機会はなかなかないと思います。景色としてのテレビ塔ではなく、テレビ塔からの景色をぜひ楽しんでいただき、魅力を再発見してほしいです」
――今後どのようなPRをしていく予定ですか?
「ゴールデンウィーク期間中には、市民向けの割引プランを実施する予定です。他にも様々なイベントを企画しており、知名度向上を図っています」
――どのような春にしていきたいですか。
「春は心機一転、1年がんばろうという気持ちになりますし、文化財になったということもあります。2年後の70周年を見据えつつ、市民の方にも登っていただき、市民を巻き込んだイベントを考えたいです」
さっぽろテレビ塔を観光名所としてだけではなく、もっと地元に愛される場所にするために奮闘する菊池さん。変わり続ける札幌のまちを見続けてきたテレビ塔の中には、素敵な想いを持った人がいた。