母親からはぐれ衰弱した子グマ 保護され旭山動物園に…保護したのは砂川市のハンター池上さん ヒグマ出没の北海道で命のリレー
連日クマの出没が相次ぐ北海道。
札幌市内でも住宅街近くで出没を繰り返し、住民の不安が増しています。
また幌加内町の朱鞠内湖では釣り人が襲われ死亡したほか、標茶町では乳牛がOSO18に再び襲われるなど、深刻な被害も生じています。
人々からクマの駆除を求める声が高まる中、衰弱した子グマが人々の善意によって動物園に保護されるという珍しいケースが北海道でありました。
子グマが保護されたのは砂川市。
6月8日から市内の公園で子グマの目撃が相次いでいました。
そして、6月18日午前7時30分ごろ、同じ公園内で体長60~70センチほどの子グマがいるのが目撃されました。
子グマは落ちていた木の実を食べる様子を見せていましたが、近くに母グマがいる恐れがあり、出動したハンターが現場で警戒を続けました。
その後、時間が経っても母グマは現れず、何度も同じ場所にとどまっていることなどから、母グマとはぐれたと判断。ハンターが子グマを保護しました。
子グマは腹を空かせた様子でかなり衰弱していたということです。
保護したのは砂川市のハンターで鳥獣保護員を務める池上治男さん。
池上さんは、2018年に砂川市の要請を受け、警察官立会いのもと、猟銃でクマを駆除しましたが「建物に届く恐れのある方向に撃った」として北海道公安委員会に猟銃の所持許可を取り消されました。
その後、処分を不当だとして、道を相手に処分の取り消しを求めて訴えを起こし、2021年に勝訴。その後、道が控訴したため、今も訴訟は続いています。
そんな中でも、池上さんはクマの出没情報があるたび見回りや警戒を続けています。
その後、池上さんと砂川市の話し合いによって、子グマは旭川市の旭山動物園に保護されることになりました。
旭山動物園によりますと、クマを含めケガをした野生動物などがいれば可能な限り、保護受け入れをしているということです。
ただ、全てを受け入れているわけではなく、今回は園内で収容可能だったことや、母グマとはぐれて衰弱していたことから子グマの保護受け入れができたということです。