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「人生が狂ったのは父親のせい」実父を殺した28歳息子に”懲役11年”の実刑判決…無職になった不安や焦りから犯行 旭川地裁

事件・事故 社会

工藤正嗣被告(28)

 2022年8月、北海道深川市で実の父親を包丁で刺して殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、旭川地裁は10月23日に開かれた判決公判で懲役11年の実刑判決を言い渡しました。

 殺人の罪に問われていたのは深川市に住む無職の工藤正嗣被告(28)です。

 起訴状などによりますと、工藤被告は2022年8月6日、深川市の自宅で刃体約24cmの刺身包丁を使い父親を複数回刺し、殺害した罪に問われていました。工藤被告は無職であることへの不安や焦りから苛立つようになり「人生が狂ったのは父親のせいである」などと不満を抱き、口論をきっかけに父親を殺害しました。

 これまでの裁判では起訴内容に争いはなく、自首の成否と量刑が争点となっていました。

 弁護側によりますと、工藤被告は父親を刺した後、助けたいと思い消防に通報していて、その内容が警察にも伝わると思った旨の供述をしているということです。

旭川地裁の小笠原義泰裁判長

 一方検察側は、消防への通報は捜査機関への申告ではないため、自首は成立しないと主張。工藤被告の動機は自己中心的で身勝手などと指摘し懲役14年を求刑していました。

 23日の判決公判で小笠原義泰裁判長は「自首は成立せず」「強い殺意に基づく執拗で残忍な犯行である」などとした一方、「工藤被告には軽度知的障害と広汎性発達障害があり、精神障害が犯行に一定程度影響したことは否定できない」などと指摘。

 工藤被告に対し、懲役11年(求刑14年)を言い渡しました。

 判決を聞いた工藤被告は「わかりました」と述べ、閉廷しました。