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「実質26年据え置き」に限界…札幌市“路線バス値上げ”方針に困惑の声も 収支改善で運転手確保&路線維持目指す

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 運転手不足によるバスの減便が相次ぐなか、北海道札幌市は路線バスの運賃を値上げする方針を明らかにしました。

 札幌市は現在、1区210円、2区240円とする路線バスの「均一運賃」について地元の同意があれば値上げできる「協議運賃」として改定する方針を明らかにしました。

路線バス値上げへ

路線バス値上げへ

 「協議運賃」とは住民生活に必要な路線確保のため、国の認可を受けずに自治体や事業者、利用者代表などの協議により運賃を改定できるものです。

 運転手不足でバスの減便が相次ぐ中、事業者の収支改善を促し運転手の確保につなげ路線を維持したい考えです。

収支改善で運転手確保へ

収支改善で運転手確保へ

 利用者は…

 「街中に出るときバスは1本で来られるのでラク。(子どもと)2人で来ると料金がかかるので本数が多くて使いやすいJRに乗ることになるかも」(市民)

 「高齢者なので料金が上がるとつらい。どこかで切り詰めないといけない」(市民)

 今後、専門部会を開き2024年1月下旬にも改定の時期や値上げ幅を決める方針です。

 今回の議論の背景には、バスの利用客が減少していることがあります。

コロナ拡大後、バス利用客は落ち込んだ状態が続く

コロナ拡大後、バス利用客は落ち込んだ状態が続く

 2018年度を「1」とした時の乗客数の推移を見ると、コロナ拡大後の2020年度は約3割減少。その後回復傾向にあるものの約2割減少したままで、収支が厳しい状況にあるバス事業者を支えなければならない事情があります。

値上げ幅は「数十円程度」か…

値上げ幅は「数十円程度」か…

 札幌の路線バスは「特区運賃」が市内の大部分で導入されていて「均一運賃」です。都心部を出発すると、黄色い1区は210円。赤の2区は240円です。

 運賃をあげることで収支を改善し、運転手の確保や路線維持につなげたいとしています。

 値上げ幅は今後決まりますが、「数十円程度」と見られています。

 「特区運賃」の値上げは、2014年に消費税8%へなった時の価格転嫁で10円上げただけで、1997年以降実質26年据え置きだったことになります。

 具体的な上げ幅などは2024年1月に決定する予定で、公共交通機関の維持に向けて、議論が進みそうです。