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元高校教師の男…交際していた元同僚女性を殺害し雑木林に遺体遺棄―控訴審“一審判決破棄”差し戻し 検察側「一緒に死ぬかのように装った」“殺人罪”主張

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元高校教師の片桐朱璃被告

 2022年5月、元同僚の女性の首を締めて殺害した罪などに問われ、一審で有罪判決となった元高校教師の男の控訴審判決で、札幌高等裁判所は1月11日、一審釧路地裁で承諾殺人罪を適用した判決を破棄し、釧路地裁に差し戻しました。

 控訴した検察側は承諾殺人ではなく殺人罪の適用を求めていました。

 一審判決で網走市の無職で元高校教師の片桐朱璃(しゅり)被告(36)は、2022年5月、帯広市内のパチンコ店駐車場に止めた乗用車の中で、交際していた元同僚の女性(当時47)の首を同意の上、シートベルトで絞めて殺害し、遺体を雑木林に埋めて遺棄したとして、殺人罪より刑罰が軽い承諾殺人が適用され懲役6年6か月が言い渡されました。

 一審で検察側は被告と被害者がそれぞれ首にシートベルトを巻き付けて互いに相手のベルトを引っ張る殺害の方法が「2人が一緒に死ぬことを前提としたもの」と主張しました。その上で「一緒に死ぬかのように装って被害者を殺したのであるから、被害者の承諾には前提に誤りがある」として殺人罪の適用を求めて控訴していました。

 一方で弁護側は控訴棄却を求めていました。

 1月11日の控訴審判決で札幌高等裁判所は「被害者の精神状態など事実の取り調べをせず、審理を尽くしていない」として、一審判決を破棄して釧路地裁に差し戻しました。


【犯行に至る経緯】
<検察側>
▼2016年 
片桐被告と被害者が同じ高校で勤務開始。

▼2018年 
片桐被告と被害者が不貞関係になる。

▼2022年4月 
片桐被告が帯広市の高校に異動・転居。被告は被害者との不貞関係を解消したいと考え、連絡を避けるように。一方、被害者は被告に頻繁に連絡したり、いきなり被告の元に訪れるなどしていた。

▼2022年5月29日
午後4時30分ごろ 
片桐被告が顧問をしている野球部の練習試合中、被害者が野球場付近に現れる。試合後、別れ話を持ちかけるが、被害者は納得せず。

午後9時37分ごろ
片桐被告と被害者がそれぞれの車で野球場を出発し高校へ。被告は仕事をすると告げて校舎に向かうふりをし、被害者を残し、タクシーで帰宅。

▼2022年5月30日 
午前3時30分ごろ
片桐被告は被害者の様子を確認するため、高校へ。被害者はおらず、被告の車にあったバッグから被告の住所が書かれた書類がはみ出た状態で放置。

午前3時52分 
片桐被告が自宅に帰ったところ、被害者が自宅駐車場にいたことから、被害者の車で帯広市郊外へ。走行中に被害者から妻と別れることを要求される。

午前4時32分 
帯広市のパチンコ店駐車場に駐車。被害者が別れ話に納得せず、不貞関係の解消も継続もできないと考え、片桐被告が「もう死ぬしかない」と発言。被害者が頷くのを見て「自分が死ぬのであれば死ぬ気になった」と認識。被害者と共に死ぬつもりがあるように装い、被害者を殺害することを決意。