【函館名物がピンチ】「スルメイカ」が統計開始以来”最低の取扱量” ピーク時の3%程度に… エイヒレジャーキーとヤマメで活路を模索?
「リスクヘッジの観点からエイヒレをやった。取引先から社長、エイヒレ焼いて裁断してよっていうお話しをいただいていたタイミングもあって、函館市の制度もちょうどタイミングが合ったので」(ミキヤ 芳村進 社長)
完成したのは、エイヒレジャーキー。
スーパーやドラッグストア、居酒屋などを中心に出荷し、この5年間で累計約5000万円を売り上げるヒット商品になりました。
それでも店の主力商品は現在もスルメイカで作ったあたりめ。
函館でスルメイカがとれなくなり、高い原料に頼らざるを得ません。
「(加工された)北海道産のスルメイカの原料が(10年前)1キロ1500円くらいだったんですよ。いま6000円超えましたからね」(芳村 社長)
道産のスルメイカはこの10年で価格が約4倍に跳ね上がりましたが、商品の値上げは出来るだけ抑え、あくまで道産のイカにこだわります。
そのワケは…。
「おいしいあたりめを食べたいという消費者ニーズはやはりあるんですよ。そして原料が高騰しているから今まで100円を150円にしますって勝手ですよね。手に取っていただける価格帯で提供するのがメーカーの務めなので」(芳村 社長)
さらにようやく軌道に乗り始めたエイヒレジャーキーも今後、原料の調達が安定的に続けられるのか、不透明になってきたといいます。
「ここ1、2年、エイヒレも厳しくなってきている。いま国内ではエイヒレの原料、取り合いが始まっています。だからこれから先、どういうふうに世の中が流れていくかが分からない」(芳村 社長)
函館でイカの塩辛などを製造している創業110年の老舗「小田島水産食品」です。
不漁の影響で一部商品は値上げを余儀なくされました。
注目したのは…ヤマメ。
2023年12月、北大大学院水産科学研究院が工場の一角で養殖を始めました。
「(Q:スルメイカが取れないから?)それもあります。そういうので、養殖というのも大切」(小田島水産食品 小田島隆 代表取締役)
北大大学院は独自で開発したシミュレーション技術で、ヤマメに適したエサの量や水温などを研究し、収益性の高い養殖方法を探っています。