「孫みたい」「いい方来たわ」"住民の笑顔"願う警察官夫婦…町民も信頼寄せる『駐在所』に密着 オリジナルチラシ作りで地域を守る 北海道
実は井下さんの妻・麻美さん(31)も苫小牧署に勤務する警察官です。
キャラクターのデザインをするのが得意だという麻美さん。夫婦ならではのチームワークを発揮し、文章は井下さんが、イラストは麻美さんが担当してこれまで様々なチラシを作ってきました。
「仕事が終わったらこの時間帯に娘を迎えに行って自宅に帰る」(井下麻美さん)
麻美さんは午前10時から午後3時までの時短勤務を終えると、母親として4歳の娘・碧唯ちゃんを保育園にお迎えに。
「何しているの?」(碧唯ちゃん)
「タマネギみじん切りしているの」(麻美さん)
帰ってきたらすぐに夕飯の支度にとりかかり、一通り下ごしらえしたら1週間後に控えた祭りでのお披露目に向けてデザイン制作に取り掛かりました。
スマートフォンで厚真町のキャラクター「あつまるくん」をモチーフにしたものを描いていきます。
「(Q:仕事しながらの作業は大変?)絵を描くことは幼稚園のころから好きで、暇さえあれば描き続けてきて、絵は趣味みたいなものなので逆に楽しいです」(麻美さん)
日々の警察官の業務をこなしながらのチラシの制作。2人のこの熱い想いはどこからくるのでしょうか。
「復興は町の人の努力で進んでいると思いますが、巡回していたら心に震災当時の傷を抱えていらっしゃる方もいる」(井下雄貴さん)
2018年9月6日に最大震度7を観測し、44人が亡くなった胆振東部地震。37人が死亡し、被害が最も大きかったのは厚真町でした。(災害関連死含む)
地域住民の思いがわかる駐在所の警察官家族として不安を少しでも解消し、心に寄り添いたいという想いがありました。
「活動で少しでも町の人が笑顔になってくれればいいなって」(井下雄貴さん)
そして、迎えた祭り当日。会場には大勢の地元の人や観光客の姿がありました。
「2人で作ったものです。完成品がついにでき上がりました」(井下雄貴さん)
2人で丹精込めて作った作品。どんな反応があるのでしょうか。
「俺のところ(詐欺メール)いつも携帯にきてるぞ。わやだぞ」(地元の住民)
「気を付けてください」(井下さん)
「最高だと思うよ。上手だよ。こういうのはなかなかないと思う」(地元の住民)
「すごいリアル。2人で作るのはすごいと思った」(地元の住民)
「子どもにも分かりやすそうでいいと思う。続けてほしいです」(地元の住民)