「国や自治体が育てるべき」“ふるさと納税”全国4位の北海道白糠町が目指す“子育て応援日本一の町” 18歳まで医療費&保育料&給食費&公営塾も無料
「子育て応援日本一の町」を掲げ、子どもやその家族に手厚いサポートをしている北海道東部の白糠町。
子どもたちが生き生きと暮らせる取り組みを取材しました。
シャトルの鋭い音が響く体育館。練習しているのは2023年、発足した子どもたちのバドミントンチーム「CBBC白糠」の選手たちです。
松下一誠さん(13)
武器はこの高速スマッシュ。全国大会で2度の優勝経験があります。
攻めを強くするために毎日トレーニングをするなど、色々努力をしています。この日、指導していたのはインドネシア出身のヘンドロ・ブディ・スラハマンさんです。
白糠町はバドミントンを町のスポーツに位置づけ、競技レベルを上げるため4年前から、強豪国インドネシアのコーチを招へい。コーチの指導で松下さんの能力は一気に開花しました。
「モチベーションがある、みんな練習をがんばっています」(ヘンドロ コーチ)
「インドネシアは攻める展開が強い。ジャンプスマッシュを中心に練習しています」(松下さん)
練習環境が整った場所で技術を高めたいと、2023年だけで北海道内外から6人が町内の学校に入学。町営の寮などに入り、技を磨いています。
「切磋琢磨できるのが魅力だなと思います。6人が加わって、すごく良い環境になっていると思います」(CBBC白糠 松下勝至監督)
人口約7000人の白糠町。「子育て応援日本一の町」を掲げ、教育や子育て支援に力を入れています。
小学生から高校生まで4人の子どもを育てている廣橋 泉さん(41)。子育てをする上で町のサポートが心強いと感じています。
「ありがたいしかないです。白糠町でなかったら4人も産めなかったなと」(廣橋さん)
白糠町では18歳までの医療費や保育料に加え、給食費も無料。出産祝い金5万円の支給など手厚い支援が整っています。
さらに次男の温真さん(14)は町の計画した海外研修事業で2024年2月にニュージーランドに行くことになりました。語学力の向上や海外交流を深めることが目的で旅費は町が負担します。
「貴重な体験をさせてもらえる。色々交流ができるのでうれしかったし、応募してよかったなと」(廣橋 温真さん)
「(町が)子どもにお金をかけてくれる。地域に子育てをしてくれているというのは実感しました」(母親)
民間企業の調査でも子育て支援が充実している自治体ランキングで、北海道内1位にもなった白糠町。なぜここまで力を入れているのでしょうか。
「赤ちゃんが生まれる、スタートラインが同じなのに、家庭環境で行く道が変わるんですよね。『これはおかしい』とずっと思っていて、一貫して『国や自治体が育てるべき』だというのはずっと思っていました」(白糠町 棚野 孝夫町長)