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カムイの大地 ―悠久の時を超えてー

 UHB大学の今回の講演は自然写真家の山本純一さん。
 山本さんは現在、野生動物の躍動を表現した写真集「カムイの生命」を出版していて、写真展も北大総合博物館で5月29日まで開催している。
山本さんはもともと天体に興味があり星の写真を撮っていて、35歳から自然写真が中心になった。
 自然写真は二度と同じものが撮れない。狙うと撮れないし、何年も通いつめて偶然撮れたものに良い写真がある。
 カメラは目で見えない風景や瞬間を写しだす。写真とは光と影の芸術と言い切る。
また山本さんは撮影時、敢えて天気予報を見ないのだそうだ。自然は行ってみてそのままを撮るのが一番で、荘厳な夜明けの風景が好きとのことだ。
 山本さんは過酷な状況で写真撮影をしているのに、お話は実に面白い。
 真冬の襟裳岬の突端に出向いた時には自殺すると思われたのか、漁師に「死ぬなよ」と声を掛けられた。
真夜中の川の中での撮影終了後、懐中電灯を無くしてしまい、辛うじてスマホで照らして事なきを得たこともあったそうだ。
 野生動物の話も興味深い。動物は餌に寄ってくるので、知床でキツネに餌やりをする観光客には危険を感じて欲しいという。
 山本さんは小グマを見たら逃げることにしている。必ず近くに親グマがいると忠告してくれた。
優雅に見えるタンチョウ、実はケンカがめっぽう強いとご存知だろうか。ワシやキツネは蹴飛ばされておしまいだし、
タンチョウ同士のケンカは2時間に渡り激しく続くのだそうだ。
 そして知床観光船についても一家言を持つ。観光船の船長は漁師でなければダメだという。20年以上のキャリアをもつ元漁師の船長は知床の岩の一つ一つを覚えている。
 そのぐらいの知識や経験があって初めて知床観光船の船長なのだと。今回の沈没事故は完全に人災であって、キチンと運営をしている他の会社が風評被害の影響を受けることを懸念している。
 山本さんの撮影活動は道東中心で知床が多い。北海道の冬が一番好きで半分が冬の写真とのことだ。
我々の北海道は素晴らしいと言い切り、自然と動物をテーマに現在も精力的に撮影を続けている。

 山本さんのフォト講演会は6月12日道新ホールにて入場無料で行われる。

※上記の講演資料をクリックするとPDFでご覧になれます。
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