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“だから電線は盗まれる” 相次ぐ電線窃盗…追跡取材で浮かぶ巧妙手口と背景 北海道

2017年8月9日19:10
 電線窃盗の被害が止まりません。8月7日、北海道夕張市で、330メートルもの長さの電線が盗まれているのが見つかりました。犯人はなぜ、電線を狙うのでしょうか。その手口と、背景に迫ります。

 記者:「ここの電柱です。両側が切られているのが分かります」

 夕張市沼ノ沢地区。約330メートルもの電線が盗まれているのが7日、わかりました。農家のビニールハウスと使われていない作業場。これまでの事件現場と同じような人気が少ない場所が、また狙われました。

 近くに住む人:「こんなことは今までなかったような気がする」

 北海道では2017年に入り、電柱に張られた電線が少なくとも11か所で約5.6キロメートル分が盗まれ、保管されていた銅線も含めるとその長さは6.4キロメートルを超えます。

 警察によりますと、複数による犯行で高所作業車を使い、電線を直接切り、転売目的で盗まれたとみられています。

 なぜ電線が狙われるのか。電線の買い取りもしている廃材リサイクル会社が、UHBの取材に応じました。

 廃材リサイクル会社の社員:「これが電力ケーブル。長かったものを切っている。はがすと、この状態になる。1本(1キログラムで)で、約550円から600円で売れる」

 電線の中にある“銅”。国際的な需要の高まりを受けて20年前から取引価格が倍増。現在1キロ約600円の高値になっています。さらに、電線に使われる銅は、含有量が多く買い取り価格が高くなるため、狙われやすいといいます。

 さらに買い取り現場からも電線が狙われる理由が浮かび上がってきました。

 廃材リサイクル会社の社員:「農家さんの場合は、自分たちで、納屋やビニールハウスを壊して、古い電力ケーブルを破棄で、切って持ってくる方もいる」

 持ち込まれた電線を見るだけでは、盗品かどうか区別するのが難しいといいます。このため、この会社では買取りの際に身分証明書の確認を徹底した上でさらに聞き取りするといいます。

 廃材リサイクル会社の社員:「なかには怪しいなと思うところもありますけど、直接ストレートには聞かないが、『これどっから出たんですかね』と聞く」

 では買い取られた銅はどう流通しているのか。流通ルートはまず、回収専門の廃品リサイクル会社から、選別を専門とする会社に売却されます。その後、加工を専門とする会社に流れて、合金メーカーが買い取る仕組みです。

 しかし、どの会社を経て買い取ったものか、記録する義務はなく、犯行が相次ぐ背景の一つとみられています。

 では悪質な電線窃盗の被害を食い止める策はないのか。セキュリティを専門とするコンサルタントは?

 日本防犯設備 北澤実さん:「警察の見回りくらいしか方法がない。防犯カメラがあると、車のナンバーを押さえることができる」

 人の目の付きにくい場所を狙い、犯行が相次ぐ電線窃盗。警察とのいたちごっこがまだ続きそうです。

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