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モユクや札幌ドームへ鉄骨供給 独自技術の"自動開閉水門"で世界注目 「旭イノベックス」星野幹宏さん #BOSSTALK

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成功のカギは"常にカイゼンする文化"

トヨタ自動車で学んだことを生かし改善

トヨタ自動車で学んだことを生かし改善

――トヨタ自動車を退社後は?
 2007年に旭イノベックスに入社しました。当時はかなり景気が悪く、3部門のうちの1つ、暖房機をつくる部門が赤字に転じていました。

 会社全体では、旭鉄工所、旭製作所、旭イノベックスの3社が合併し、現在の旭イノベックス株式会社になるタイミング。赤字の部門をどのように黒字化させるか、大きな課題でした。

 当時、総務企画人事に配属され、様々な課題が浮き彫りに。トヨタ自動車の先輩が退社するときに、「相当、君は変態になってるよ。体内時計もおかしくなっているし、色々な物を見たときに"カイゼン"の癖がついているので問題だらけに見えストレスを感じると思う。自分のスピード感を人に押し付けずに、会社が抱える課題をメモに残し、それを何年もかけて少しずつ改善していきなさい」というアドバイスをもらいました。

 "常にカイゼン"が共通認識となっているトヨタ自動車の中では、改善点を指摘することは、過去の否定ではなく、より良くなるための手段です。

 その文化がない中で課題を指摘するとダメ出しになってしまう。トヨタ自動車の先輩のアドバイスどおりに、課題をひたすらメモに取りました。

――文化をつくることが必要だったということですね。
 課題の解決策は既に見えていたので、すぐ黒字転換できるという自信もありました。

職場環境の改善からスタート「自分たちでやった実感を」

収益を上げることよりも職場環境の改善を重要視

収益を上げることよりも職場環境の改善を重要視

――黒字化には成功しましたか?
 2年間かけて黒字化に成功しました。成功のカギは、自分事と認識してより良くすることを楽しんでもらう仕組みづくりが良かった。

 トヨタ自動車の上司のアドバイス通りにメモを取っていると、社員から「赤字なので遠慮せず、すぐに手伝ってください」と言われたことがきっかけです。

 まずは、チームをつくり基本的な改善の考え方を共有していきました。収益を上げることよりも、職場環境の改善を重要視。従業員の負担を徹底的に改善するための案を出して、お金を使うことから始めていきました。

 すると、チームの中から「僕、こうやった方がいいんだけど」という人が出始め、一気に改善していきました。社員から次々と改善の案が出てくると、自分たちがやったという実感につながります。