「地滑りは静かに家に迫ってきた」 能登半島地震 ”北海道の記者”が見た被災地…真冬の大地震・津波・土砂崩れ
能登半島地震は発生から3週間余りが経ちました。
被災地は1月24日、雪が降っています。
冬の寒さの中での災害。UHB取材班の現地報告です。
UHBの取材班は先週末、被災地に向かいました。
「現在穴水町を走っています。これから北上して能登半島の先端の珠洲市に向かいます」(沼田 海征 記者)
取材初日、被害の大きかった珠洲市へ向かう道中、目に入ったのは倒壊した建物や崩れた土砂でした。
最大震度7を観測し、正月の団らんを襲った能登半島地震。
石川県によりますと、これまでに233人が死亡、19人の行方が未だに分かっていません(1月23日午後2時現在)。
「穴水町の市街地に入ってきました。あちらの信号機は電気がついていません。傾いていて明かりがついていません」(沼田 記者)
珠洲市に入るとさらに…
「珠洲市の宝立町という地域に来ています。こちらではバス停の待合室が崩れ、そしてこちらでは車が家屋の下敷きになっています」(沼田 記者)
当たり前だった日常が一瞬で崩れてしまいました。
取材初日の夜は車中泊をしました。
翌朝、冬の脅威が被災地を襲いました。
雪です。
「雪が強くなってきました、がれきや信号機の上には新しく雪が降り積もっています」(沼田 記者)
インフラの復旧が遅れている中、寒さは大きな影響を及ぼしていました。
「体育館は暖房もないのでストーブだけでは寒いかなと思いますね」(避難している人)
「(Q:寒さは?)厳しいですね。金融関係も止まってるし、お金も下ろせない」(避難している人)
私たちは能登半島西部の輪島市に向かいました。
「輪島市の朝市通りです。こちらは歴史的な建物が立ち並ぶ観光名所なんですが火事で面影は全くありません。火災から2週間以上たった今も焦げた臭いがします」(沼田 記者)
住宅や店舗など200棟以上が焼失。
日本の三大朝市のひとつに数えられる輪島朝市は焼け野原に一変しました。
地震が引き起こす災害はほかにも…。
珠洲市の港では船がひっくり返っていたり車が流されていたり津波の恐ろしさを実感しました。
雨の中、輪島市を流れる河原田川です。
山の斜面が崩れ、大量の土砂と木が川をせき止めて流れが変わっているということです。
近くの市ノ瀬町では大規模な土砂崩れが発生し、住宅を飲み込みました。