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子ども&保護者&教師もサポート!10足のわらじで奔走する"スクールカウンセラー"に密着 「気軽に相談を」教育の場で増す存在感 北海道札幌市

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小学校から大学へ移動

小学校から大学へ移動

 2件の相談を終えた新川さん。あわただしく、車に乗り込みました。

 「(Qこの後は、どちらへ?)北海道教育大です。養護教諭を目指す、学生さんたちの授業です」(新川さん)

 約30キロ、自家用車で約50分。札幌市北区の大学に向かいます。

 新川さんは札幌市にある小学校2校、恵庭市にある高校1校のスクールカウンセラーであり、北翔大など6つの大学の先生と北海道教育委員会の仕事も。

 "10足のわらじ"を履き、毎日フル回転です。

 「病院に非常勤で週3回勤めて、そのほかスクールカウンセラーをする人もいる。スクールカウンセラーだけだとまだまだ生活は難しい」(新川さん)

1日の移動距離は約120キロに及んだ

1日の移動距離は約120キロに及んだ

 この日は札幌市厚別区の自宅から小学校へ、相談後に小学校から大学、大学の授業後また小学校に戻ってから、さらに別の大学へ。1日の移動距離は約120キロ。札幌市から登別市までとほぼ同じです。

 「(Q体力的に大丈夫?)なかなかちょっと…。行ったり来たりだから、大変ではありますね」(新川さん)

 それでも頑張れるのは、信頼してくれる子どもたちや保護者がいるからです。

 「(保護者や子どもたちに)少しでも元気になってもらえたり、状況に変化が起こったりしたら、いいなと思っている」(新川さん)

いじめ対策の会議にも出席するように

いじめ対策の会議にも出席するように

 午後3時過ぎ。小学校に戻った新川さん。次の仕事は…。

 「2024年度から毎月1回、学校でいじめ(対策)の会議をするようになった。スクールカウンセラーもそれに入るようになった」(新川さん)

 実は、教師のサポートもスクールカウンセラーが担っています。多くのストレスを抱える教育現場で果たす役割は…。

 スクールカウンセラーは子どもや保護者に加え仕事が多岐にわたる教師の"相談相手"も担っています。いじめ対策会議への参加もその一環です。

札幌市教委 喜多山 篤 児童生徒担当部長

札幌市教委 喜多山 篤 児童生徒担当部長

 「(学校は)心理的なこと、福祉的な背景も含めて、きめ細かく子どもの理解に努め、丁寧に対処できる組織になっていくことが求められている」(札幌市教委 喜多山 篤 児童生徒担当部長)

 札幌市教委は1995年にスクールカウンセラーを導入。

 深刻化するいじめや不登校の児童生徒のケアをすることを目的に、2008年にはすべての市立の小中高校などに配置されました。

 2023年度、札幌市では約4万2000件の相談が寄せられ、いじめ、不登校、虐待、学習状況などの内容だったと言います。

 2024年度からは小学校へのスクールカウンセラーの配置時間を年69時間から、国が定める標準時間の140時間に倍増し、保護者や教師もスクールカウンセラーと接する機会を増やそうとしています。

 新川さんは2023年度は担当する小学校に2週に1回、3時間のみでしたが、時間が増えたことで、週1回、4時間対応できるようになりました。

 2時間にわたったいじめの対策会議で学校と、教師と、率直な意見を交わした後、石狩市にある大学に向かいました。

 「先生方を元気づけたい。本当に忙しいですよ、小学校の先生方は。先生とスクールカウンセラーがコミュニケーションをとる時間が増えるといいなと思う」(新川さん)